大阪で有機農家を探すには?農家が教える5つの探し方
大阪・千早赤阪村で無農薬・無化学肥料の野菜を育てている農家です。個人宅や飲食店へ直接お届けする、昔ながらのスタイルで野菜を届けています。「大阪で有機農家を探したいけれど、どこにいるのか分からない」という声をよくいただくので、農家の目線から探し方をまとめました。
大阪に有機農家はどれくらいいるのか
正直に言うと、大阪の有機農家はかなり少ないです。当園の実感では、各市町村に1〜2件あるかどうか、というところです。
大阪の農業そのものは、都市に近い近郊農業として発展してきました。鮮度が大事な野菜づくりが盛んで、春菊の生産量は全国2位。泉州では「泉州野菜」としてブランド化されたものもあります。畑が街のすぐそばにあるのは大阪の強みです。
ただ、農地は山あいに偏っていて狭く、大規模化が難しい。土地代も高い。だから農業研修を終えた人が、より条件のいい隣県で就農するケースが多いのです。有機農家が少ないのには、こうした事情があります。
少ないからこそ、探し方を知っているかどうかで結果が変わります。
有機農家の探し方
マルシェに足を運ぶ
大阪市内の週末マルシェには、大阪の農家は少ないながらも、関西近郊から集まった有機農家が案外多く出店しています。生産者と直接話しながら野菜を選べるので、自分に合う農家を見つけやすい場所です。
私自身も以前はよく出店していました。今は会場が大阪の中心地に集中していて、千早赤阪村からは少し遠く、足が遠のいてしまいましたが——それでも、農家と直接顔を合わせて話せるマルシェは、最初の入口としておすすめできます。
ネットで「農家ブログ」と一緒に検索する
「無農薬野菜」+「大阪」のように地域名で検索すると、上位は全国規模の大手宅配サービスばかりが並びます。個人の農家にたどり着くには、もう一工夫いります。
おすすめは、検索ワードに「農家ブログ」を加えること。農家自身が発信しているページが見つかりやすくなります。実際、当園にたどり着くお客さんもネット検索が一番多いです。
SNSのハッシュタグで探す
今はどの農家もSNSで発信しています。直接「インスタで見つけました」というお客さんはまだ少ないのですが、探す手段としては十分に使えます。
コツは、地域のハッシュタグで絞り込むこと。たとえば「#大阪農家」「#大阪野菜」「#千早赤阪村」のようなタグをたどると、その地域で実際に育てている農家の投稿が並びます。畑や野菜の写真、収穫の様子から、その農家の人柄や姿勢が伝わってきます。
知人に紹介してもらう
意外かもしれませんが、紹介で広がるケースはとても多いです。「親がずっと定期宅配を頼んでいて、子ども世帯にも食べさせたいから」と、家族ぐるみで利用が広がることもよくあります。
すでに信頼している人が選んだ農家なら、外れが少ない。身近に農家から野菜を取っている人がいたら、聞いてみるのが一番の近道かもしれません。
有機農業の団体・研究会をたどる
各地に「○○県有機農業研究会」といった、有機農業に取り組む人たちの団体があります。大阪にもかつて同様の集まりがありましたが、今はほとんど活動していないようです。
ただ、こうした団体の名残や、そこから派生したつながりをたどると、地域の農家にたどり着けることがあります。全国組織の日本有機農業研究会なども、地域の農家や活動を知る手がかりになります。
有機農家から直接買うということ
有機農業が広まった頃、「有機」という言葉には「農家と消費者の有機的な関係」という意味が込められていました。農薬が大量に使われ、野菜が工業的に生産されるようになった時代に、もっとぬくもりのある野菜が欲しい、顔の見える関係で育てたい——その思いから生まれたのが有機農業です。
ひと口に無農薬野菜と言っても、つくり手によって野菜の個性はまったく違います。どの品種を選び、どう育てるか。それは農家それぞれのセンスと哲学です。だからこそ、いろんな農家から試してみて、自分に合う一軒を見つけるのが、農家から直接買うことのいちばんの醍醐味だと思っています。
農家はみんな、いわば個人商店です。考え方も野菜も一軒ごとに違うので、「どこがいい」と一概には言えません。ただ、長く農園を続けている農家ほど、お客さんとの信頼関係を積み重ねてきています。一つの目安にはなるかもしれません。
まとめ
大阪で有機農家を探すなら、マルシェ・ネット検索・SNS・紹介・有機農業の団体と、入口はいくつもあります。数が少ないぶん、少し範囲を広げて周辺府県にも目を向けると、選択肢はぐっと広がります。
最後は理屈より、一軒試してみること。気になった農家から野菜を取ってみて、自分の暮らしに合うかどうかを確かめる。そうやって、お気に入りの農家との「有機的な関係」を育ててみてください。